2017年11月16日

遊戯の禍

 現代は余りに遊戯が流行している。
 魂をこめた自己の磨錬【まれん】がない。
 禍【わざわい】であると思う。
posted by ハジャケン at 09:04| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

知識は愛

 真の知識は実は
 愛でなければならぬ。
 英語やフランス語が出来ても、
 哲学者や文芸家の
 名前や事蹟【じせき】を
 いくら識【し】っていても、
 そんなことは何等【なんら】
 人格価値を増すものでは無い。
 要はそれ等【ら】を通じて人格活動が
 如何【いか】に深く広くなるかに在る。
 小説などを読み噛【かじ】って
 人生問題を喋々【ちょうちょう】する娘より、
 黙【もく】して娘の着物を縫って居る
 母親の方に遥かに
 深い人生の知識がある。
posted by ハジャケン at 10:24| 山梨 ☔| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月14日

主 婦2

 婦人にとっては、
 あり余る金を持った家を除いては、
 安息所というものが無い。
 職場から解放された連休も、
 掃除や、洗濯や、修理や、
 子供の世話に使われる。
 彼女の肩にはいつも仕事がかかっている。
 その上相当の身だしなみとか、
 心の修養とかの努力を加えねばならない。
 実に一刻の暇もない。
 然しその報いもあらたかである。
 僅かの金と、多くの勇気があれば、
 立派な婦人は数日の中に、
 あばら家を一変して最も住み心地の
 好い場所にすることができる。
 そこで働くことと愛することとが渾融している。
   ――A・モーロア「知と愛の生活」より。
posted by ハジャケン at 09:53| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

主 婦1

 一家を立派に治める婦人は、
 その家の女王であり、大臣である。
 彼女は夫や子供の為に
 仕事ができるようにする。
 彼等に障碍が起らぬように護り、
 寝食万端の世話をする。
 彼女は大蔵大臣である。
 そのお蔭で一家の
 経済は均衡を保つ。
 彼女は文化相である。
 家なりアパートなり、
 きちんと整え飾られていたら、
 それは彼女の努力である。
 彼女は又文相である。
 子供を小学から大学に入れ、
 成績と教養に対する責任を持つ。
 一人の婦人が一家を全き
 小世界にすることができた時には、
 偉大な政治家が
 一国の大事を治めた時にも
 比すべき誇を感じてよい。
posted by ハジャケン at 12:45| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月12日

不老の秘訣

 我々人間はとくに肉体の
 老衰には敏感であるが、
 案外精神の老衰には
 気づかぬものである。
 気づいても当然の事として、
 反省したり、
 振起【しんき】する努力を
 怠りがちである。
 古来医学の専門家は、
 人間いくら年をとっても、
 否【いな】年をとるほど、
 学問や芸術や信仰に
 情熱を抱き続けることが
 不老の秘訣であることを
 切論している。
 学芸・信仰・事業等に
 感興を失わず、
 情熱を抱き続ける老人こそ、
 不老の特権階級である。
 徒【いたず】らに不老長生の
 薬を求めたり、
 苦難を恐れて安逸【あんいつ】
 を貪【むさぼ】る人間は
 養生の道を錯誤しておるものである。
posted by ハジャケン at 09:41| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不老の秘訣

 我々人間はとくに肉体の
 老衰には敏感であるが、
 案外精神の老衰には
 気づかぬものである。
 気づいても当然の事として、
 反省したり、
 振起【しんき】する努力を
 怠りがちである。
 古来医学の専門家は、
 人間いくら年をとっても、
 否【いな】年をとるほど、
 学問や芸術や信仰に
 情熱を抱き続けることが
 不老の秘訣であることを
 切論している。
 学芸・信仰・事業等に
 感興を失わず、
 情熱を抱き続ける老人こそ、
 不老の特権階級である。
 徒【いたず】らに不老長生の
 薬を求めたり、
 苦難を恐れて安逸【あんいつ】
 を貪【むさぼ】る人間は
 養生の道を錯誤しておるものである。
posted by ハジャケン at 09:39| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月11日

人と滓

 人は成長するに従って、
 肉体的にも新陳代謝の
 機能を活発にして、
 疲労物質を滌除【てきじょ】し、
 血液を純浄にせねば、健康を害し、
 ついには夭死【わかじに】するように、
 人格的にも早年から中年に進んで、
 家庭生活社会生活等の
 経験を積んでくるほど、
 滓【かす】が溜まる。
 修養してこれを滌除せねば、
 人格的に病人、
 あるいは亡者である
 俗物小人となってしまう。
posted by ハジャケン at 10:54| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月10日

明師良友

 人間はとかく労を避けて
 逸に就きやすいように、
 学問も独りでは往々
 そういう邪路に陥りやすい。
 そのためにも欲しいものは
 明師良友である。
 明師良友は得がたくとも、
 古人を友とし(尚友)、
 古典を繙くことによって、
 或いはより以上の
 感化を蒙ることができる。
posted by ハジャケン at 09:44| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月09日

読書尚友

 独の生活を深く懐【いだ】くようになって、
 いまさらの如く尊く楽しいものは、
 古人を友とし、
 その深厚な思索体験を
 記せる書を心読すること、
 すなわち読書尚友である。
posted by ハジャケン at 12:55| 山梨 ☁| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

台という字

 胎の月偏は、肉であります。
 その右の台の字で、
 これは流石【さすが】と
 感心する文字でありまして、
 台という字は
 我という意味であります。
 肉月に台【われ】という字を
 配して胎という字を作った。
 これは限りなき意味が
 考えられますね。
 なお又台は天極に
 天神の座である紫微【しび】星があり、
 それを守る三つの星の名でもあります。
 台は薹の略字ではない。
 星の名であるとともに又、
 われの意に用いられる。
 天つ神を守る星即ち台であり、
 台はわれである。
 何と深遠な思索ではありませんか。
posted by ハジャケン at 08:40| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月07日

絶対に至って真

 絵を書くということも
 書を書くということも
 何をすることも
 絶対に至って初めて真で、
 つまり絵を書いて
 それを売るためではない。
 褒められるためでもない。
 書かざるべからずして
 書くということが
 書道の根本義である。
 胸中の丘壑が画面に
 躍動して絵になる。
 それが本当の絵である。
 その胸中の丘壑が紙の上に
 躍動して出ようとする時に、
 躍動せずんば止まぬ時に、
 それを自ら手伝う産婆の役目、
 或いは妊婦自身のいろいろな
 努力がこれすなわち芸術である。
 それに対する批評、讃美、報酬、
 そういうことは自然に
 それから生じてくることである。
posted by ハジャケン at 08:34| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月06日

人間はみな絶対

 徹底して言えば、
 人間はみな独自であります。
 それぞれが絶対である。
 絶対であるが故に、
 融通無礙【ゆうずうむげ】であります。
 平たく言うならば、
 何億・人間がおっても、
 同じ人間は一人もいないのです。
 みな一人一人絶対である。
posted by ハジャケン at 08:32| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月05日

生きるということ

 吾々が生きるということ、
 それは一体何故生れたんだろう、
 何のために生きるのだろう。
 生れない方がよかったのではないか
 というようなことは許されない。
 生きることは絶対なんである。
 生れざるべからずして
 生れたのである。
 何のためにとか、
 何が故にとかいうことは、
 生きるということから
 後に生じて来るのである。
 生きるそのことは絶対である。
 造化の事実である。
 道を学ぶ、道に達する。
 こういうことは総て
 自ら勝手に考えたり、
 或いは他の力によって
 動かされる境地から
 次第に絶対化することである。
 自慊になることである。
posted by ハジャケン at 08:59| 山梨 ☔| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月04日

信なくんば立たぬ

 信(仰、向)がなければ
 我々の生活は厳粛にならない。
 決定的な力を生じない。
 ことに家庭生活にこれがなければ、
 互いに狎【な】れ争うて破綻を招き易い。
 政治についても、
 孔子が子貢に答えて、
 「やむを得ねば、
 民の経済生活(食)は
 これを見殺しにしても、
 信だけは民から失えない。
 昔から皆死を免れないが、
 民信なくんば立たぬ」(論語、顔淵)
 と教えているのは、
 深く味わうべき言葉である。
posted by ハジャケン at 10:10| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月02日

人間の矛盾

 老いねば本物にならぬが、
 本物になる頃は最早人生の終点だ。
 この矛盾が人間の悲劇である。
posted by ハジャケン at 09:00| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

人格の完成

 若い時に人格の根本を
 築く学問をしっかりやる
 ―それで人物が出来る。
 この人格の根幹的完成は
 先ず二十五歳までで、
 それからは惰力で
 三、四十歳までゆく。
posted by ハジャケン at 09:52| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月31日

冷静に決然と

 余は満天下の志士仁人に
 革命家たらんよりは
 まず求道者たれ。
 人に説かんよりは
 まず士に下れ。
 そして冷眼事を看、
 剛腸事に当れ。
posted by ハジャケン at 10:10| 山梨 ☀| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

片言隻句

 われわれの生きた悟り、
 心に閃めく本当の智慧、
 或は力強い実戦力・行動力
 というようなものは、
 決してだらだらと
 概念や論理で説明された、
 長ったらしい文章などによって
 得られるものではない。
 体験と精神のこめられておる、
 極めて要約された片言隻句
 によって悟るのであり、
 又それを把握する事によって
 行動するのであります。
posted by ハジャケン at 08:39| 山梨 ☔| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

四 惜

 昼坐・当に陰を惜むべし。
 夜坐・当に燈を惜しむべし。
 言に遇わば当に口を惜むべし。
 時に遇わば当に心を惜むべし。
             (清)陸世儀
 ※註陰は光陰、時間の意味。
  陸氏=字は桴亭と号す。清初の篤学。
  實用を重んじ思辯録等の名著がある。
 人間というものは、
 つまらぬ物には
 吝【けち】なくせに、
 こういう大切なものについては
 案外濫費【らんぴ】して省みない。
 玉くしげ明けぬ暮れぬといたづらに
 二度も来ぬ世を過すかな
 (木下長嘯子)である。
 貴重な夜の時間をむだ使いするなど
 燈に対して申訳ないというものだ。
 もの言えば唇寒し秋の風。
 人間言うからには価値のある発言をしたいもの、
 でないと口に済まぬ。
 時世は、我が哲学して心を深める好資料だ。
posted by ハジャケン at 09:43| 山梨 ☁| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月28日

知行合一

 王陽明の『伝習録』に
 うまいことをいっている。
 「知は行の始めなり、
 行は知の成るなり」。
 我々のからだでもそうです。
 心臓とか肝臓とか
 いろいろあるけれども、
 他とかかわりなく、
 全体とかかわりなく存在するものは、
 何一つないのであります。
 たとえば甲状腺にしても、
 ちょっと見れば単なる骨
 のように見えるけれども、
 専門の医者に訊くと、
 ここからサイロキシンと
 いったものを血液の中へ送り出す。
 これが出なくなると、
 正邪曲直の判断とか、
 美醜の感覚とか、
 あるいは神聖なるものを
 敬うとかいうような機能が
 失くなってしまう。
 ネズミの餌から完全に
 マンガン分を除去すると、
 母性本能が失くなるそうです。
posted by ハジャケン at 10:32| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

日本精神とは

 日本精神は、
 山鹿素行【やまがそこう】先生が
 『中朝事実【ちゅうちょうじじつ】』の後に
 チャンと論じているように、
 異民族文化を自由に摂取して、
 これを日本化する上において
 天縦【てんしょう】の神聖をそなえている。
 中国の言葉でいうならば
 「鼎新【ていしん】」という言葉がある。
 鼎がちょうど、いろいろ食物の材料を入れて、
 それを煮て一つの料理にすると同じように、
 道というものは自由な造化力
 でなければならない。
 できるだけ自由にものを包容して、
 それを新たに造化する
 のでなければ道ではない。
 
 日本精神はそういう鼎新力、
 天縦の神聖を確かに
 世界のあらゆる民族に比べて、
 最も豊富に持っている。
posted by ハジャケン at 10:02| 山梨 | 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月26日

政治と権威

 政治は何によって
 成功するかというと、
 その政治に携わる
 人間の権威であります。
 人間の内容であります。
 これはつまらない人間だと
 相手に軽蔑されるようになったら、
 国策というもの国体というものは
 断じてこれは運営できるものではない。
 先ず相手が「これはできた人物だなあ、
 内容がある人物だ、尊敬できる人物だ、
 信頼できる人物である、
 今度自分のこういう疑問は
 彼にあったら聴こう。
 
 自分の国で色々な問題を
 抱えておる。
 これをひとつ彼に聞いて助言を仰ごう。
 …こういう風になってこなければ
 日本の政治は絶対に
 外に向かって伸びない。
posted by ハジャケン at 09:11| 山梨 ☔| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

政治と権威

 政治は何によって
 成功するかというと、
 その政治に携わる
 人間の権威であります。
 人間の内容であります。
 これはつまらない人間だと
 相手に軽蔑されるようになったら、
 国策というもの国体というものは
 断じてこれは運営できるものではない。
 先ず相手が「これはできた人物だなあ、
 内容がある人物だ、尊敬できる人物だ、
 信頼できる人物である、
 今度自分のこういう疑問は
 彼にあったら聴こう。
 
 自分の国で色々な問題を
 抱えておる。
 これをひとつ彼に聞いて助言を仰ごう。
 …こういう風になってこなければ
 日本の政治は絶対に
 外に向かって伸びない。
posted by ハジャケン at 09:08| 山梨 ☔| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月25日

明治と大正

 明治・大正・昭和を通観しますると、
 何といっても明治という時代は
 少なくとも真剣でありました。
 同様にスターリンがソ連を支配して
 いろんなスローガンを出し
 「追いつけ! 追い越せ!」
 と盛んに国民を叱咤【しった】
 激励をしたことを
 ご記憶の方もあろうかと思います。
 また中共の毛沢東は
 「大躍進」の号令をかけましたが、
 このスターリン、毛沢東の両者とも
 素直に申しますと
 甚だ不成績であります。
 これらにくらべて我が日本の
 明治の歴史をみますと、
 遅れていた西洋文明、
 科学文明を発達させるため
 
 「追いつき、追い越せ」の国民運動が
 世界の奇蹟といわれるような
 成功を収めました。
 ところが大正時代は
 どうであったかと申しますと、
 疲れたり、ゆるみがでたりという
 好ましくない現象が起こっております。
 特に第一次世界大戦によって、
 大した努力もしないのに、
 いわは漁夫の利をしめる立場で
 好景気に恵まれ、
 金もうけができまして、
 札びらが全国に舞うようになりました。
 これが日本を非常に堕落させました。
posted by ハジャケン at 09:13| 山梨 ☁| 安岡正篤 一日一言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする