2017年04月30日

名字の言〉 2017年4月30日

今月26日の午前8時30分。大雨の中、人の列ができていた。広島平和記念資料館の東館がリニューアルオープン。市街が破壊されるCG映像、3Dプリンターで作った原爆ドームの模型など最先端技術を駆使。多彩な手法で「どう伝えるか」に工夫が凝らされていた▼「大工の原さん」「洋服店の新藤さん」……。72年前、そこには家々が立ち並んでいた。庶民の生活、それぞれの幸せを1発の原子爆弾が奪った。後年、跡地に同館が建設。被爆者が世を去っていく中、「何を伝えるか」もまた重要になる▼同館でボランティアを始めた婦人部員。広島に生まれながらも、無知な自分を悔いた。「人類の 中より選ばれ 広島に 戦う使命を 誇りと功徳に」――かつて池田先生が詠んだ和歌を胸に講習会に出席し、現在は館内で展示説明を行う▼平和を願う母の心を、高校3年生の息子も継いだ。英検準1級に合格し、第10回「全日本高校模擬国連大会」に初出場。選抜された高校生と英語で討論した。「将来は国際社会に貢献したい」と誓う▼学会の広島池田平和記念会館は、出兵する兵士を訓練した「東練兵場」の跡地に立つ。今、ここから平和を創る青年たちが羽ばたく。“二度と悲劇を繰り返さない”――「ヒロシマの心」を世界に伝えるために。(子)
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2017年04月29日

名字の言〉 2017年4月29日

外国語翻訳ソフトの進歩が目覚ましい。「2カ国語間の会話をその場で音声翻訳」「カメラを向けただけで画像内の文字を翻訳」「103言語の文章を相互翻訳」などが、スマートフォンで気軽に利用できる。翻訳の精度や読み上げる声の自然さも日々、向上している▼異なる言語の人々が瞬時に意思疎通できる素晴らしさ。一昔前には想像できなかった“夢の機能”には違いない。とはいえ、外国語を学ぶ大切さは変わらないだろう。相手の言葉を話すという行為は、その文化を受け入れ、尊重するという姿勢の表れにほかならないからだ▼池田先生は、第1回の高等部総会(1968年)で「まず1カ国の外国語に習熟すること」を提案。多くの若き友がこの指針を抱き締めて世界へ雄飛した。SGIの平和運動の一翼を担うメンバーも陸続と誕生している▼また先生は“真の国際人は広宣流布に働く皆さんのお父さん、お母さん”と述べ理由を続ける。「毎日、全人類の幸福を真剣に祈っている。そして、利己主義を捨てて、人の幸福のためにボランティアで行動している。毎日、忙しいなかを、世界的な大哲学である仏法を学んでいる」(『青春対話』)▼相手の側に立つ。一人のために行動する。その人こそ国際人であり、真心は必ず万人に通じていく。(行)
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2017年04月28日

名字の言〉 2017年4月28日

厚生労働省が先頃、2065年までの将来推計人口を公表。50年近く先のこととはいえ、総人口は8808万人に減り、高齢者が年少人口(0〜14歳)の約4倍を占めると予測された▼少子高齢化が進む中で、社会や消費の動向に新たな可能性を生む「クロスジェネレーション」(世代間交流)が注目されている。ヨーヨー、けん玉など懐かしいおもちゃが今、世界各地で流行。日本では大人が教える体験教室も盛況という▼「大人世代が若者世代をサポートするような社会になれば、まさに世界のモデルになる」との声も(阪本節郎/原田曜平著『日本初! たった1冊で誰とでもうまく付き合える世代論の教科書』東洋経済新報社)▼世代間交流は広布の運動でも新たな勢いを生む。仏法対話に挑む広島県の学生部員。だがうまくいかない。「わしの折伏についておいで」と言う祖父に同行。烈々たる情熱と確信の声。祖父の友人は「信心してみる」と。触発された学生部員は再び挑戦し、弘教を実らせた▼御書に「人のものををしふると申すは車のおもけれども油をぬりてまわり・ふねを水にうかべてゆきやすきやうにをしへ候なり」(1574ページ)と。模範を示す。励ましを送る。共に動く――青年の成長を信じ抜く行動から新しい時代が始まる。(子)
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2017年04月27日

名字の言〉 2017年4月27日

本部幹部会中継行事の終了後、自転車のかごにメモが入っていた。「タイヤの空気圧が低いようです。自転車屋さんで見てもらってはいかがですか」と記されていた▼持ち主の少女は驚いた。確かに、頑張ってペダルを踏んでも、自転車はなかなか進まなかった。メモを書いたのは創価班。来館者の自転車を、一台一台点検していた。とてもうれしかった――こんな声を、少女が寄せてくれたことがある▼そこまで確認する義務はないかもしれない。だが、自転車に不具合があれば、事故につながりかねない。この創価班は、皆が無事に帰宅するまでを「わが責任」と捉え、任務に当たっていた▼今月の中部を皮切りに、本年、全国で「創価青年大会」が開かれる。かつて、青年大会に参加した識者が語っていた。「合唱も演技も素晴らしかった。同じように、汗をかきながら、笑顔で参加者を迎え、黙々と責任を果たす役員の姿も、まぶしいほど輝いていた」▼池田先生は述べている。「(私は)『ここまで』と相手が驚くほど、手を尽くして、一人一人を励ましてきた」「友のために『頭』を使い、『心』を使う。それが真実の指導者である」。この師の心をわが心とし、自身を鍛え、幸福拡大に進む“励ましの挑戦者”でありたい。(鉄)
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2017年04月26日

名字の言〉 2017年4月26日

広島平和記念資料館の9代目館長を務めた原田浩氏の講演を聴いた▼被爆50年の1995年、米国・スミソニアン国立航空宇宙博物館で初の原爆展が予定されていたが、退役軍人らの反対によって中止に。それ以降も、同博物館では被爆遺品を扱う展示会は開かれていない。原田氏は「B29爆撃機の展示キャプション(説明)には、いまだにその成果だけが記されている」と指摘した▼先月14日、ある展示会が、米南西部の原爆開発の地・ニューメキシコ州のロスアラモス歴史博物館の主催で行われた。被爆2世で美術家の壮年部員と、米国の女性画家が共同制作した現代アートが飾られていた。壮年が撮影した折り鶴の写真に、女性が描いたハトを重ね合わせた作品▼女性の父親はかつてマンハッタン計画(原爆開発計画)に関わった人物。一方、壮年の父親は爆心地から2・5キロで被爆した。加害者・被害者という立場を超え、「原爆が開発された地から、芸術の力で平和を発信したかった」と2人は口をそろえる▼池田先生は「真に対決し克服すべきは、自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さないという『核兵器を容認する思想』です」と強調する。核の脅威が叫ばれる時こそ、“核は絶対悪”という根源からの思考を手放してはならない。(柑)
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2017年04月25日

名字の言〉 2017年4月25日

中国・周恩来総理のめいの周秉宜氏が今月来日し、創価大学や信濃町の総本部などを訪問した。その際、池田先生と学会に対する周総理の認識の一端が新たな証言として語られた(本紙12日付)▼創価大学の観桜会では、周秉宜氏が学会青年部との交流の思い出を振り返った。1992年、氏が東京に滞在中、学会青年部が後援する日中交流イベント(中野区内)に出席。そこで1枚のパネルを目にする。周総理が日本に留学中、中野区内に下宿していた頃の周辺の様子をイラストで再現したものだった▼大正8年ごろ、周総理が同区内に住んでいたことは知られていたが、詳しい住所は分からなかった。それを中野青年部が、総理の発言や資料をもとに粘り強く調査し、下宿先が、東中野にある学会の中野文化会館近くだったと特定したのだ▼周秉宜氏は「青年部の皆さんは、一つの物事に対して手を抜くことなく真面目に取り組まれた。そこに周総理や中日友好、平和に対する誠実な心を痛切に感じた」と。周桜が咲き誇る中、創大生と共に、池田思想を学ぶ若き研究者や学生が、その声に耳を傾けていた▼日中の友好がアジアと世界の安定をもたらす。それを託すのは青年しかいない――周総理と池田先生の心は、確かに引き継がれていた。(朋)
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2017年04月23日

名字の言〉 2017年4月23日

人の経歴の8割は偶然の出来事で決まる――スタンフォード大学のJ・D・クランボルツ教授が提唱する学説だ。社会的成功を収めた数百人を調査した結果、8割がその地位を築いた要因に、偶然の出会いなど予期せぬ出来事を挙げたという▼とはいえ、決して“偶然に身を委ねる生き方”を勧めているわけではない。教授は、主体的に行動する中で起こるさまざまな偶然を人生を開く好機にする「計画的偶発性理論」を提唱。成功の鍵として@旺盛な「好奇心」A努力を重ねる「持続力」B前向きに物事を捉える「楽観主義」C固定観念に縛られない「柔軟性」D失敗を恐れない「冒険心」を挙げる▼「ああなりたい」「こうしよう」と意思をもって努力することは大切だ。ただ人生は何が起きるか分からない。予想外の何かが起きたとき、“自分が考えていたこととは違う”などと切り捨てず、“新しい人生が開けるかもしれない”と捉えてみる。不断の努力を重ねつつ、目の前の出来事に心を開いておく――その構えがチャンスを呼び込むともいえよう▼池田先生は御書を拝し、「強き信心とは、強力な磁石のように、幸いを万里の外より集める力である」と▼勇んで動けば、思いがけないドラマが待っている。出会いの春。軽快に一歩を踏み出そう。(開)
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2017年04月22日

名字の言〉 2017年4月22日

かつて物理学者のアインシュタイン博士が来日した折、開かれた歓迎の会食会。博士を招待した出版社の社員たちに交じり、一人の少年がテーブルの端で小さくなって座っていた▼彼を見つめる博士に、通訳が耳打ちする。“あの子は、社員たちが東京駅に博士を迎えに行った時、一人で留守番をしていた子”――博士は即座に立ち上がり、その十二、三歳の少年の目の前へ。握手をして彼の労をねぎらった。博士は、この日の日記に「事実上もっとも年少の社員の晴れやかな握手によって歓迎」されたとつづっている▼博士は常に“陰の人”に敬意を払った。ホテルを出る時にも、わざわざスタッフに向かって、心のこもったしぐさで帽子をとった。反対に、地位ばかり高く、傲慢な連中には、厳しく批判的な目を向けた(金子務著『アインシュタイン・ショックT』岩波書店)▼池田先生は、「わが学会は、陰の労苦を惜しまない尊き尊き皆さま方によって支えられている」と語った。本紙配達員の「無冠の友」をはじめ、不惜身命で広宣流布に走る全ての陰の同志への感謝は尽きない▼陰に徹する人を「英雄」とたたえ、励ましの光を送り続けていく。それが創価三代の師弟の魂であり、現代社会に必要な人間尊敬の哲学である。(速)
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2017年04月21日

名字の言〉 2017年4月21日

インターネットが出現した当初のシステムは、1台のホストコンピューターと多くの端末をつなぐ「集中型」だった▼だが、それではホストが停止したらネットワーク全体が断絶してしまう。その対策として、個々のコンピューター同士を結ぶ技術が生まれた。これにより回線がどこかで切れても、他の回線を使ってネットワークが存続できるように。現在は、こうした「分散型」がシステムの主流になっている▼実は雑草も、これに似た仕組みによって力強く生きている。一つの株元から茎を這わせて節をたくさんつくり、節ごとに根をおろす。そこからさらに上や横へ茎を張り巡らせ、大地に“ネットワーク”を形成する。抜いても抜いても生えてくるのはこのためで、親株がなくなっても生き残る戦略である(稲垣栄洋著『雑草は踏まれても諦めない』中公新書ラクレ)▼青年部の活躍が目覚ましい愛知の地区。長年、地区部長を務める壮年にその要因を伺った。「一人一人が地区の主役なんです。老若男女の垣根を越えて互いにつながり、“皆が皆を励ます連帯”があるからこそ、後継の人材が陸続と躍り出ています」▼タテ、ヨコ、ナナメに結ばれる“多対多の創価家族のネットワーク”。これが何ものにも崩されない、人間の城の強さである。(靖)
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2017年04月20日

名字の言〉 2017年4月20日

東日本大震災の被災地で、古文書や文化財の保全に取り組む歴史家たちがいる。その集大成である『よみがえるふるさとの歴史』全12巻(蕃山房発行)が好評を博している▼失われた郷土の歴史を“文章の力”で取り戻す試みで、第2巻では、約400年前に東北を襲った慶長奥州地震津波からの復興を特集。塩害で農業が困難になった地にあって、逆転の発想で製塩事業を推し進め、沿岸部を活性化した事例が紹介されている▼プロジェクトの中心者で歴史家の平川新宮城学院女子大学学長は、先人の挑戦をよみがえらせる意義について「心の復興につながる仕事」と力を込める(「第三文明」4月号)▼震災から半年後の2011年9月、池田先生は小説『新・人間革命』第25巻「福光」の章の連載を開始した。1977年3月11日から3日間にわたる福島訪問を軸につづられた同章の連載中、『新・人間革命』は新聞小説史上、日本一の連載数を記録。渾身の筆による東北への熱き思いに、友は奮い立った▼常設展示「東北福光みらい館」(仙台市)は、同章の一節から始まる。3月に開設し、観賞者は6000人を超えた。不屈の精神を燃やし、悲哀を勇気に、宿命を使命に変えゆく友の姿こそ、“福光の歴史”として未来へ輝き渡る。(朱)
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2017年04月19日

名字の言〉 2017年4月19日

沖縄・那覇市の3大祭りの一つ「那覇ハーリー」が5月の連休に開催される。祭りのメインはハーリー競漕。地域対抗をはじめ、中学校対抗や職域対抗などもにぎやかだ▼爬竜船と呼ばれる小船に32人のこぎ手と、船首部分に鐘打ち役、船尾にはかじ取り役が乗り込み、速さを競う。本番が近づく今、早朝や夕刻には、あちこちから練習に励む鐘の音が聞こえる▼20年以上にわたり、ハーリーのこぎ手を務める壮年に話を聞いた。「大切なのは鐘打ちのリズムに、全員が呼吸を合わせて櫂をさばくことです」と。どんなに力や技術のあるこぎ手をそろえても、櫂をこぐタイミングがバラバラなら力はそがれ、スピードに乗ることはできない。逆に、皆の呼吸が合えば、ぐんぐん勢いは増していくという▼御書に「殷の紂王は、70万騎の大軍でしたが『同体異心』であったので、戦いに負けました。周の武王は、800人でしたが『異体同心』であったので、勝ったのです」(1463ページ、通解)と仰せの通りである▼異体同心の団結とは、個性を抑えるものではない。大目標に向かって、心一つに切磋琢磨する。そのなかで一人の力が最大限に引き出され、想像を超えた大きな力となる。「5・3」から「7・3」へ、「一人」が輝く団結の前進を開始したい。(結)
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2017年04月18日

名字の言〉 2017年4月18日

かつて長寿の双子姉妹として人気を博した、きんさん・ぎんさん。妹の蟹江ぎんさんの4人の娘さんたちも、負けず劣らずの長寿姉妹で、平均年齢は98歳になる▼彼女たちの“元気の秘訣”は、毎日のように集まって「おしゃべり」することだった。長寿医療の研究者が調べたところ、4姉妹が自由に会話している時、脳の血流が増えていることが分かった(石川恭三著『沈黙は猛毒、お喋りは百薬の長』河出書房新社)▼脳の血流が増えると、神経細胞が活発になり、認知症の予防や、抗うつ効果も期待できるといわれる。「健康社会」を考えるうえで、人と人との対話や交流は欠かせない要素だ▼先ごろ、91歳で入会した婦人が語っていた。「学会に入って20歳、いえ30歳は若返りました(笑い)」。世代や立場を超え、和気あいあいと励まし合う。成功談だけでなく、時には失敗談も愉快に語り合う。そんな学会の世界で今、彼女は新たな人生を謳歌している▼「おぼしき事言はぬは腹ふくるゝわざ」と『徒然草』にある。礼節をわきまえ、愚痴や文句を慎む姿勢は大切だが、思ったことを言わず、我慢し続けるのは体にも障る。互いを敬いつつ、どんどんしゃべって知恵を出し、元気を出す。日々の学会活動は“最高の健康法”だ。(誠)
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2017年04月17日

名字の言〉 2017年4月17日

今年は「宗教改革から500年」とされる。大学教授だったマルティン・ルターが1517年、“買えば罪が許される”とする免罪符を批判し、95カ条の意見書を発表。教会の腐敗を指摘し、宗教改革の口火を切った▼意見書は難解なラテン語で書かれた。それが、庶民にも分かるドイツ語に訳され、流布した。文字の読めない人には、読める人が語って聞かせた。聖書をドイツ語に訳したのもルター。信仰の情熱こもる言論と、万人に理解される根本の聖典の存在が、時代を動かす原動力となった▼学会には、万人救済の経典である日蓮大聖人の「御書」がある。仏法の甚深の法門や、門下への温かい励ましなどがしたためられたこの書を、学会員は日々学び、実践する。10言語以上に翻訳・出版され、世界中に広がっている▼今月28日で、学会による御書発刊から65周年。第2代会長の戸田先生は「発刊の辞」に記した。「この貴重なる大経典が全東洋へ、全世界へ、と流布して行く事をひたすら祈念して止まぬものである」。今、その言葉通りの時代が到来した▼国を超え、この一書に、どれほどの人々が希望を見いだしてきたか。人生を変えることができたか。学会はどこまでも御書根本に「人間のための宗教」の道を進みゆく。(鉄)
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2017年04月16日

名字の言〉 2017年4月16日

江戸時代の蘭医学者・緒方洪庵が著した『扶氏医戒之略』に次の一節がある。「病者に対しては唯病者を視るべし。貴賤貧富を顧ることなかれ」▼診察に限らず、洪庵は普段から誰にでも分け隔てなく接した。弟子の福沢諭吉は「客に接するにも門生を率いるにも諄々として応対倦まず、誠に類い稀れなる高徳の君子」と師を敬慕していた(中田雅博著『緒方洪庵――幕末の医と教え』思文閣出版)。相手によって態度を変えない。これが「大人」の要件の一つだろう▼先日、群馬の壮年が、池田先生と地元会館で出会った時のことを語ってくれた。来館の10日程前、先生は海外で国家元首と会見し、その模様が本紙に報じられていた。その先生が婦人や子どもを心を砕いて励ましている。要人であれ庶民であれ、真剣に向き合うその姿に、深い感銘を受けたという▼壮年は職場で取締役まで務めたが、退職した途端、接し方を変える人もいた。その後、がんを患う。不安を隠せない彼に、師の姿に学ぶ学会の同志は“一緒に信心で勝とう”と励ましを。手術の日、同志は懸命に題目を送ってくれた。壮年は振り返る。「学会は真心の世界。この真実を語らずにはいられません」▼一人の「人間」として向き合う。そうして結ばれた絆ほど強いものはない。(江)
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2017年04月15日

名字の言〉 2017年4月15日

「生きているうちに息子に伝えなければ」――カナダの実業家キングスレイ・ウォードは、2度の心臓手術の後、会社を継ぐ息子に手紙を書いた。後に『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』として出版され、新社会人の必読書としてベストセラーになった▼「礼儀正しさに勝る攻撃力はない」「服装は君に代わって物を言う」……。仕事で遭遇する局面での対応を説く同書。親子の立場を超えた「同じ道を志す友」への愛情が伝わってくる。「君の父親であったおかげで、素晴らしい人生だった」(城山三郎訳)▼岡山県で不動産会社を営む壮年は末期の胃がんと診断された。「余命半年」の宣告後、創価大学で学ぶ息子の元へ。「池田先生の弟子として生きた。最高に幸せだったよ」。父は広布のバトンを託し、霊山へと旅立った▼帰郷した息子は26歳で会社を継いだ。経営難でも父の背中を追い、多くの友人にも弘教した。先月には過去最高の売り上げを計上し、新たな自社物件を購入するまでに▼今春、約89万人が社会に巣立った。理想と現実の差を感じることもあろう。しかし池田先生は新社会人の友に語った。「大誠実に徹していけば、全てを生かして、必ずいい方向に転じていくことができる」。苦闘の時も師父はじっと見守っている。(子)
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2017年04月14日

名字の言〉 2017年4月14日

2月から始まった本紙連載「グローバルウオッチ」。日本や各国が直面する諸問題を取り上げ、学会の活動や信仰の価値を再考する企画に毎回、多くの反響が寄せられている▼米国出身で“ゲームオタク”の青年が、信仰を通して成長を遂げた体験(8日付)にも共感が。ある読者は「○○だからダメという世間のレッテルを覆すような体験で、時代に即した形で仏法の偉大さが学べた」。また記事中の言葉について「新しい感覚で、とても良かった」との声も届けられた▼時代とともに、社会は変化する。日本では少子高齢化や人口減少、情報化による「ネット社会」の拡大。同時に、認知症患者や「引きこもり」の増加、人々が孤立する「無縁社会」の広がりなど、新たな課題が生まれている▼その中で、私たちが行う学会活動には、社会的にも大きな意義がある。高齢者の孤立化を防ぐ訪問激励。地域一体で子どもを育む未来部の取り組み。一人一人の可能性を信じ抜き、希望を送る仏法対話……いずれも草の根レベルで、社会の諸課題に光を送る無私の行動だ▼時代が変わろうとも、否、変化の激しい時代だからこそ仏法の価値は輝きを増す。学会員の尊き実践の実像を、「生きた言葉」「新しい言葉」で世界へと発信し続けたい。(駿)
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2017年04月13日

名字の言〉 2017年4月13日

海あり山あり。広大な福島県は気候の変化に富み、桜の季節が長い。「宝の山」と歌われる磐梯山の麓に立つ福島研修道場には、池田先生が自ら植樹した三代桜がある。この桜は毎年、5月3日前後に爛漫の雄姿を見せる▼開花が早い遅いと気をもむのは人間の都合。環境の違いで、それぞれの木に咲くべき「時」がある。これは人の生き方も同じで、“開花の春”は一様ではない▼先日、総本部で行われた「うつくしまフェニックスグループ」(原発事故の影響で福島県内外に避難した友)の首都圏大会で、母子がリレー体験を発表した。大震災から3年目。小学校3年の次女が体調を崩し、学校に行けなくなった。母に心配を掛けまいと、小さな胸にしまい込んできた不安と恐怖の感情が噴き出したのだ。食欲がなく、座ることもできない娘を母が背負う。体重20キロにも満たない軽さに涙が止まらない▼母は「必ず健康にしてみせる!」と信心で再起を誓う。家族の愛情に包まれた娘は一進一退しながらも心身が安定し、今春、母子は笑顔で中学校の入学式に臨んだ▼語り終えた親子に拍手がしばらく鳴りやまなかった。同志も、この日が来ることを信じ、祈り続けてきたのだ。待ち望む時間が長いほど、功徳満開の春の喜びは大きい。(城)
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2017年04月12日

名字の言〉 2017年4月12日

記録文学や歴史小説などの分野で多くの作品を残した吉村昭氏。氏の生まれ故郷、東京・荒川区にオープンした「吉村昭記念文学館」に足を運んだ▼館内の一角には、書斎が再現されている。部屋の三方を天井まで伸びた本棚が囲み、歴史書、郷土史などに加え、自作のスクラップブックも並ぶ。その量に圧倒された。窓際には幅2メートル60センチもある特注品の机。執筆時に多くの資料を載せるため、この長さが必要だったという▼氏の信念は「史実そのものにドラマがある」。戦史小説では関係者の証言を重視し、一つの作品のために192人を取材したこともあった。「証言者と会い、その眼の光、言葉のひびきを見聞きした」(『私の引出し』文春文庫)。それぞれの証言の“体温”にまで迫ったからこそ、事実や数字の羅列ではなく、血の通った人間ドラマを描けたのであろう▼学会の庭では、赤裸々な信仰体験が生き生きと語られる。その一つ一つが、自他共の幸福をつくってきた学会史の一ページであり、仏法哲理の正しさを裏付ける証言である。御書に「道理証文よりも現証にはすぎず」(1468ページ)と▼正確さや裏付けに、体験の持つ“熱”が加わることで、言葉に生命が宿る。無名の庶民の体験にこそ、語り継ぐべきドラマがある。(値)
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2017年04月11日

名字の言〉 2017年4月11日

「初ざくら折しもけふはよき日なり」(松尾芭蕉)。熊本地震から1年を前に、熊本平和会館で行われた新時代全国男子部幹部会。会場周辺では遅咲きの桜が春の訪れを告げ、参加者が顔をほころばせていた▼熊本地方気象台は1日、桜の開花を発表。平年より9日、昨年より10日遅れた。1962年4月2日に次いで観測史上2番目に遅く、先月末からの冷え込みで開花時期が延びたという。“試練の冬”に耐えてきた被災地の友にとって、春到来の喜びはひとしおだったに違いない▼熊本男子部はこの一年、被災地の清掃ボランティアなど復興に全力で携わる一方で、仏法対話に果敢に挑戦。“日本一”の弘教拡大で幹部会当日を迎えた。熊本に生まれ育ち、県男子部長を務めた壮年リーダーがしみじみと語っていた。「桜が幹部会の開催日を待ち、男子部の勝利をたたえてくれているようでした」▼池田先生は「桜は、厳しい冬を耐えて、耐えて、耐え抜いて、遂に迎えた春を、歓喜の勝鬨のごとく咲き誇る。勝利と祝賀を、賑やかに繰り広げゆく姿といってよい」とつづっている▼幹部会では、厳冬を越えて咲く春花のように、“人材の花”がらんまんと咲き薫っていた。次代を担い立つ彼らの姿こそ、希望の未来そのものだった。(剣)
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2017年04月09日

名字の言〉 2017年4月9日

120年ほど前の日本では、まだ女性に開かれていなかった新聞記者の道を、自らの努力で勝ち取った羽仁もと子さん。後年、教育家となり、ユニークな教育方針の一つとして「靴をそろえて脱ぐ自由」を強調した▼「脱いだ靴をそろえなさい」という強制ではなく、“そろえない自由”も選択肢に示し、自由の真意を考えさせたかったのだろう。自由は自分勝手とは違う。自ら考え、選択し、その結果を引き受ける責任が伴う。それゆえ、問答無用でやらされるより、成長のチャンスは大きい▼かつて、信心に消極的だった壮年部員が病を患い、失職した。気ばかり焦るが、もがくほど泥沼にはまり、生きる気力さえ失いかけた。その時、母親が優しく言った。「お題目をあげてみるかい?」▼壮年は述懐する。「いつもなら、『勤行しなさい!』と叱りつける母の言葉に“もう信心しかない”と腹が決まった」。真剣に祈る壮年に、母の涙声の唱題が重なる。その後、体調を取り戻した壮年は、再就職を果たし、今、地区部長として活躍する▼信仰や生き方は本来、本人の自由である。“これしかない”と自ら選択してこそ、真剣に自分と向き合える。強制するのではなく、背中を押してあげる。これが、人を救うということだろう。(城)
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2017年04月08日

名字の言〉 2017年4月8日

週末に降る雨を喜ぶ人は、そう多くはいないだろう。桜まつりなどイベントが多いこの時期だと、なおさらだ。今日・明日の予報では、全国的に“傘マーク”が目立つ▼春の雨にはいくつも異称がある。その一つが「育花雨」。花の生育を促す“恵みの雨”との意味で、仏教にまつわる故事から生まれた。4月8日に釈尊が誕生した際、仏法を守護する八竜王が喜びのあまり、「甘露の雨」を降らせて祝福したという伝説だ▼「雨は花の父母」とのことわざもある。子どもたちが、“成長”という名の花を命いっぱいに咲かせる入学シーズン。わが子の産声を聞いたその日から、励ましの陽光と慈雨を一心に注ぎ続けてきた家族の感慨は、ひとしおだろう。御書に「一には父母の恩を報ぜよ」(1527ページ)と仰せの通り、報いるべき第一の存在が父母であることを忘れたくないものだ▼未来へ続く道の途上では、花を潤す甘露のような雨もあれば、滝のように激しく若芽をたたく風雨もあるに違いない。だが、池田先生は励ましている。「それに負けずに伸びることによって、青年は使命の大輪を咲かせることができる」と▼降る雨やよし! 若人ならば、そのくらいの気概があっていい。門出の時を迎えた友に心からの声援を送りたい。(之)
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2017年04月07日

名字の言〉 2017年4月7日

「KY」といえば“空気読めない”の略として、10年ほど前から若い人を中心に使われている言葉。その場の雰囲気や状況などを察することができないという、日本社会独特の否定的な表現である▼一方で、事故や災害を未然に防ぐための取り組みに「KY活動」「KY訓練」という言葉がある。この場合のKYは「危険予知」を指す。1970年代から使われ始めたというから、言葉の歴史としては、こちらの方が“先輩”だ▼例えば、事故につながりかねない危険な体験を共有する本紙の「ヒヤリハット配達員会」や、婦人部・女子部が午後10時までに帰宅することを促す「10帰運動」なども、広い意味でKY活動の一つといえるだろう▼御書に「敵と申す者はわすれさせてねらふものなり」(1185ページ)と。“これくらいは大丈夫だろう”“いつも通っている道だから”など、わずかな油断や心の隙に乗じてトラブルは忍び寄る▼事故は、日常生活の中に潜んでいるからこそ、交通ルールの順守や普段の心構えが何より大切だ。一日一日を、「必ず、やりきる」と「決意のKY」で出発し、「きょうも良かった」という「喜びのKY」で締めくくれるよう、地域で声を掛け合っていこう。15日まで、春の全国交通安全運動。(道)
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2017年04月06日

名字の言〉 2017年4月6日 名字の言〉 2017年4月6日

パイロットを夢見る少年部員が空港を訪れた。春休みを利用した“社会科見学”である▼案内役は副操縦士。鉛筆を手にした豆記者から質問が飛ぶ。飛行機の重さは? 燃料はどこに積むの? そして「パイロットになるために大切なことは?」。答えは「勉強も大事。体を鍛えるのも大事。でも一番大事なのは『親孝行』かな」。メモを取る少年の手が止まった▼父や母は最も身近な存在ゆえ、つい感謝を忘れがち。だが「当たり前」を「ありがとう」の言葉に置き換えられる心こそ、パイロットに必須の資質だという。旅客機を飛ばすために、どれほど多くの人が汗を流しているか。クルーや整備士、貨物や清掃のスタッフ、営業や旅客担当者……。「感謝の言葉は心をつなぐ。みんなの心が一つになって初めて最高の仕事もできるんだよ」と副操縦士は言った▼文豪ゲーテの至言に「感謝しなければならぬ人と出あいながら、感謝をわすれていることが、どんなにしばしばだろう」(大山定一訳)と。御書には「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(563ページ)と仰せである▼飛行機が人を運ぶ乗り物なら、言葉や声は「思い」を乗せて運ぶもの。向かう先は相手の「心」だ。感謝の気持ちも目的地に着いてこそ、である。(恭)
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2017年04月05日

名字の言〉 2017年4月5日

市販のトマトの糖度は4〜5度程度。だが、農業研究家の永田照喜治氏が栽培したトマトの糖度は、この2〜3倍にもなる。ブドウ並みの19度になったことも▼秘密は「スパルタ農法」にある。水と肥料を極力少なくし、トマトを“甘やかさない”。ぎりぎりの環境に置かれたトマトは、養分や水分を何とかして吸収しようと、茎や葉などあらゆるところに産毛をびっしりと生やす。その結果、吸収の効率が上がり、果実においしさが凝縮する▼過剰な栄養が与えられると、根は十分に働かなくなるという。満たされ過ぎるとうまく育たないのは、植物も人間も同じかもしれない▼作家の吉川英治氏が、ある裕福な青年に語ったことがある。「君は不幸だ。早くから美しいものを見過ぎ、美味しいものを食べ過ぎていると云う事はこんな不幸はない。喜びを喜びとして感じる感受性が薄れて行くと云う事は青年として気の毒な事だ」(『吉川英治とわたし』講談社)。池田先生は、この言葉を紹介しつつ、“恵まれすぎは不幸”“青春時代の労苦こそ宝”と、若き友に語った▼時に思い通りにならないことがあっても、腐ってはならない。努力に努力を重ねる。その中で、何ものにも動じない人格ができる。苦労の時こそ、成長と飛躍の好機である。(靖)
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