2017年08月22日

名字の言〉 2017年8月22日

都会に住む少年部員が、山村にある親戚宅で夏休みを過ごした。その思い出をつづった絵日記を見せてもらったのだが、ある一文が興味深かった。「耳元に蚊が飛ぶ『プーン』という音をはっきり聞きました」▼とかく現代社会は騒々しい。外に出れば、雑踏する街。家にいても家電製品や携帯電話の多様な電子音。そんな日常から離れた大自然の中で耳にした、虫の羽音や小川の瀬音が少年には新鮮だった▼心静かに耳を澄まして、じっと待つ。そうすることで、ようやく聞こえるものがある。ある婦人部員は東日本大震災以降、避難生活を続ける友の激励に通い続けている。友は元気そうに話すのだが、“どうも本音とは思えない”と婦人は感じた▼そこで散歩に誘った。婦人は友の歩調に合わせ、隣で歩いた。ほとんど会話もなく1時間ほど過ぎた時、友がつぶやいた。「本当は私、不安なの」。自分をごまかさない友の言葉を聞き、かえって婦人は確信した。“これで必ず再起できる”。以来、二人は励まし合いながら復興の日々を歩んでいる▼二人が横に並ぶと、先を見つめる両者の視線は同じ方向になる。それは、未来へ共に進む相手を信じ、心の声に静かに耳を傾けることでもある。これも励ましであり、寄り添いだろう。(城)
posted by ハジャケン at 08:45| 山梨 ☀| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする