2017年08月11日

名字の言〉 2017年8月11日

先輩から聞き、今も胸に残る言葉がある。「視界に入るものの中で一番高くそびえるのが、高層ビルではなく、山というのは幸せだ。山は人を謙虚にさせる」。山は言葉を発することはないが、見る人に何かを語り掛け、心を満たしてくれる▼石川啄木は詠んだ。「ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」。郷里の岩手山を仰ぐ啄木の心には、畏敬や感謝とともに、その威容のように自己を築き上げる決意が込み上げたのではないか▼本紙通信員を務める婦人部員は、ことあるごとに自宅から程近い場所で、岩手山を撮り続けてきた。「二科展」の「二科会写真部展」での受賞歴もある腕前の彼女が、“渾身の作”という岩手山の写真を見せてくれた。「良いと思う写真は、決まって、悩みと格闘している時のものです」▼子どもの不登校、親の介護、自身の病……試練と戦う渦中でカメラに収めた力作は、これまで何度も本紙を飾ってきた。不動の大山に、自身の不退の決意を重ねながら、シャッターを切ったに違いない▼初代会長の牧口常三郎先生は、「吾人は山と一致せるものとして、ともに苦楽をともにし」と記した(『人生地理学』)。わが胸中にも仰ぎ見る大山を抱き、偉大な人生を登はんしたい。(城)
posted by ハジャケン at 08:47| 山梨 ☁| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする