2017年08月09日

名字の言〉 2017年8月9日

ナガサキ、ヒロシマには、同じ名称の建物がある。「国立原爆死没者追悼平和祈念館」――ここでは亡くなった被爆者の名前・遺影を登録し、追悼している▼本年3月、漫画家・中沢啓治氏が追加登録された。小学1年の時、学校付近で被爆。父やきょうだいを失った。後年、自らの半生を基に『はだしのゲン』を描いた▼炎が燃え広がる市街、ウジのわいた死体。言葉には言い表せない惨状だった。世間からは“残酷だ”などと批判が相次いだが、あえて描いた。「私たちのような体験をする世の中にしないでくれと願っている」(『「ヒロシマ」の空白 中沢家始末記』日本図書センター)。原爆への憤怒と平和への渇望を胸にペンを走らせた▼過日、中沢氏の母校で創価高校生がフィールドワーク(現地調査)を行った。それは爆心地に最も近い小学校(410メートル)。創価高校生は、約400人の尊い命が奪われた現実を心に刻んだ▼「経験した者にしか分からない」と嘆く被爆者もいる。だからこそ、戦争を知らない世代が“何か”を始める意義は大きい。上空500メートルでさく裂した一発の原爆。7万人の死者、無数の悲劇――11時2分に思いをはせることは、平和への大事な一歩に違いない。きょう9日で「長崎原爆の日」から72年。(子)
posted by ハジャケン at 10:23| 山梨 ☔| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする