2017年05月14日

名字の言〉 2017年5月14日

作家の出久根達郎さんが、『母を語る』(NHKサービスセンター)で亡き母を紹介している。決して上手とは言えない片仮名で、「タカラハコ」と書かれた箱を遺品から見つけた。中には、出久根さんが就職先の東京から送った手紙の束が入っていた▼その内容は“これだけ手紙を出したのに、なぜ返事をよこさないのか”という不満ばかり。母は読み書きがほとんどできないと知りながらの恨み節。それでも母は、わが子の手紙を宝物として、大切に保管していた▼ある青年部員は、未入会の母と一緒に信心できるよう長年祈っていた。父は若くして他界し、苦労ずくめの母。最高の恩返しを、と仏法対話を重ねるが平行線は続いた▼ところがある日、母が入会を申し出た。青年が毎年の元日に記す「今年の目標」の最初に、必ず「母の幸福・長寿のために題目をあげる」とあることを青年の妻から聞き、決心したという。入会後、母と青年の家族が初めて一緒に勤行をした時、孫娘が「おばあちゃん、何を祈ったの?」と聞いた。「息子家族の幸せだよ」との答えに青年は涙した▼たとえすれ違いがあっても、子の幸せを願わない親も、孝行したいという子の真心を喜ばない親もいない。その変わらぬ愛情の深さに頭を垂れる今日の「母の日」。(城)
posted by ハジャケン at 09:14| 山梨 ☔| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする