2017年04月09日

名字の言〉 2017年4月9日

120年ほど前の日本では、まだ女性に開かれていなかった新聞記者の道を、自らの努力で勝ち取った羽仁もと子さん。後年、教育家となり、ユニークな教育方針の一つとして「靴をそろえて脱ぐ自由」を強調した▼「脱いだ靴をそろえなさい」という強制ではなく、“そろえない自由”も選択肢に示し、自由の真意を考えさせたかったのだろう。自由は自分勝手とは違う。自ら考え、選択し、その結果を引き受ける責任が伴う。それゆえ、問答無用でやらされるより、成長のチャンスは大きい▼かつて、信心に消極的だった壮年部員が病を患い、失職した。気ばかり焦るが、もがくほど泥沼にはまり、生きる気力さえ失いかけた。その時、母親が優しく言った。「お題目をあげてみるかい?」▼壮年は述懐する。「いつもなら、『勤行しなさい!』と叱りつける母の言葉に“もう信心しかない”と腹が決まった」。真剣に祈る壮年に、母の涙声の唱題が重なる。その後、体調を取り戻した壮年は、再就職を果たし、今、地区部長として活躍する▼信仰や生き方は本来、本人の自由である。“これしかない”と自ら選択してこそ、真剣に自分と向き合える。強制するのではなく、背中を押してあげる。これが、人を救うということだろう。(城)
posted by ハジャケン at 09:11| 山梨 ☁| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする