2017年09月02日

暁鐘 三

小説「新・人間革命」〉 暁鐘 三

 木々の緑を縫い、さわやかな薫風が吹き抜けていく。五月十七日午後、山本伸一が出席し、フランクフルト市内のホテルの庭で、ドイツ広布二十周年を記念する交歓会が行われた。これには、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、オーストリア、イタリア、そして日本から訪独中の親善交流団も含め、八カ国約八百人が集って、世界広布への誓いを固め合った。
 庭には、ステージが特設され、日本から世界広布の大志をいだいて渡独し、炭鉱で働きながらドイツ広布の道を切り開いてきた青年たちの苦闘などが、ミュージカル風に紹介された。彼らのなかには、初めて炭鉱での労働を経験した人が多くいた。肉体を酷使し、疲れ果て、食事の黒パンも喉を通らぬなかで、自らを叱咤して学会活動に励んだ。
 彼らの胸に、こだましていたものは、伸一が一九六三年(昭和三十八年)の『大白蓮華』八月号の巻頭言に綴った、「青年よ世界の指導者たれ」との万感の呼びかけであった。
 この青年たちをはじめ、草創期を築いた勇者たちの行動と努力が実り、ドイツにも数多の地涌の菩薩が誕生したのだ。「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」(注1)とは、戸田城聖の大確信であった。
 ステージでは、後継の少年少女が登場し、希望の五月を迎えた喜びの歌を合唱。大喝采を浴びた。
 登壇したドイツ理事長のディーター・カーンは、感極まった顔で語った。
 「十六年間の夢が、遂に、遂に、実現しました。山本先生が、こうして、わがドイツにいらしてくださったのです!」
 彼らは、日本で宗門僧らの学会への不当な仕打ちが続いてきたことを伝え聞いていた。「それならドイツの私たちが広宣流布を加速させ、世界広布の新天地を開こうじゃないか!」と、果敢に活動を展開してきたのだ。
 ドイツの大詩人ゲーテは、「合い言葉は戦い 次の言葉は勝利!」(注2)と詠っている。それは、まさに皆の心意気であった。
 小説『新・人間革命』の引用文献
 注1 「青年訓」(『戸田城聖全集1』所収)聖教新聞社
 注2 ヨハーン・ヴォルフガング・ゲーテ著『ファウスト第二部』池内紀訳、集英社
posted by ハジャケン at 08:50| 山梨 ☀| 新・人間革命 30-4暁鐘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名字の言〉 2017年9月2日

昨年の新語・流行語大賞「神ってる」に続き、近頃は「神対応」という言葉もよく聞かれる▼無愛想で素っ気ない態度を取るのが「塩対応」。一方、機転を利かせた当意即妙な対応を「神対応」と言うらしい。最近も、飛行機の出発が遅れて乗客がいらだつ中、乗り合わせた歌手が自らの曲を歌い、場の雰囲気を和ませたことが、「神対応」と報じられていた▼ある婦人がベビーカーを押し、子ども2人を連れ、電車を乗り継いで本部幹部会の中継行事に参加した。会館に着くと、創価班からすがすがしいあいさつが。両手のふさがった婦人を支えつつ、ベビーカーを安全な所へそっと寄せる牙城会。その隣で、腰を曲げるのが大変そうな高齢者に靴を取って手渡す白蓮グループ。「こまやかな気配りに触れ、疲れて憂うつだった気持ちが吹き飛びました」と婦人が語っていた▼戸田先生は「反応が早ければ、気持ちいいではないか」「一流は、皆、迅速だ。一流は、賢い人生観を持っている」と。この言葉を紹介し、池田先生は語った。「打てば響くような迅速な反応――これが勝利の要諦である」▼奇をてらった、特別なことは必要ない。“何か一つでも、自分にできることを”と行動する瞬間から、胸に染み入るような心の交流が生まれる。(鉄)
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運命の卜知

 運命の卜知―或る民族、或る団体に於て、
 勃興する時には、何れも皆使命を果す為に全力を尽す。
 没落する時には皆、
 一身一家の為だけをはかり、享楽を求める。
 この道理は個人に於ても一般だ。
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教行証御書P1282

今末法当世の有智・無智・在家・出家・上下・万人此の妙法蓮華経を持って説の如く修行せんに豈仏果を得ざらんや―――
 教行証御書P1282
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女性に贈ることば365日 9月2日

女性に贈ることば365日
 池田大作
9月2日
子どもを残して出かける時には、
ひと言、声をかけることです。
「今日は、ここへ言ってくるよ」
「何時には帰りますよ」と。
また帰ってきたら、「ただいま」
「ありがとう」と声をかける。
たとえ、子どもが先に休んでいても、
「よく留守番しててくれたね」
「おかげで、お母さん頑張れたよ」と、
耳元で優しく感謝の思いを込めて、
声をかけていくことです。


posted by ハジャケン at 08:38| 山梨 ☀| 女性に贈ることば365日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暁鐘 二

小説「新・人間革命」〉 暁鐘 二 
  
 山本伸一は、フランクフルトでの識者との語らいのなかで、デルボラフ博士とは対談集を発刊していくことで合意した。
 以後、二人は六年がかりで対話を進め、対談集の原稿がまとまった時、博士は、その原稿を、「嬉しくて、いとおしくてたまらない」と言って、枕元に置いていたという。
 一九八九年(平成元年)四月、対談集『二十一世紀への人間と哲学――新しい人間像を求めて』が発刊された。しかし、博士は、その出版を待たず、八七年(昭和六十二年)七月に死去する。享年七十五歳であった。
 伸一は、その後も各界の識者と対話を重ね、対談集の出版に力を注いでいった。実は、そこには秘められた決意があった。
 ――あらゆる学問も、政治も、経済も、教育も、芸術も、その志向するところは、人間の幸福であり、社会の平和と繁栄である。
 日蓮大聖人は、天台大師の「一切世間の治生産業は皆実相と相違背せず」(御書一二九五ページ)の文を引かれ、世を治め、人間の生活を支える営みは、仏法と違背せず、すべて合致していくことを訴えられている。
 その厳たる事実を、識者との語らいを通して、明らかにしておきたかったのである。
 さらに、環境問題や教育、核、戦争、差別、貧困等々、人類のかかえる諸問題の根本的な解決のためには、人間自身の変革が求められる。そこに、最高峰の生命哲理たる日蓮仏法を弘め、時代精神としていく必然性があることを示しておきたかった。また、意見交換を通して、その識見と知恵から学びつつ、問題解決に向けての視座と実践の方途を、探求していきたかったのである。
 “対談を通して、諸問題解決の具体的な道筋を示せることは、極めて限られているかもしれない。しかし、自分が端緒を開くことによって、多くの青年たちが後に続いて、人類の未来に光を投じてくれるであろう”というのが、彼の願望であり、期待であった。
 思想と哲学とを残すことは、未来を照らす灯台の明かりをともすことだ。
posted by ハジャケン at 08:37| 山梨 ☀| 新・人間革命 30-4暁鐘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする