2017年08月03日

雄飛 四十二

小説「新・人間革命」〉 雄飛 四十二

 山本伸一の周囲には、小説の舞台となる時代の「聖教新聞」の縮刷版、メモ書きした用紙、参考書籍などが置かれていた。伸一は、メモ用紙を手にすると、記者に言った。
 「では、始めるよ! 準備はいいかい」
 口述が始まった。一声ごとに力がこもっていく。記者は、必死になって鉛筆を走らせる。しかし、伸一が文章を紡ぎ出す方が速く、筆記が追いついていかない。そこで記者の手の動きを見ながら口述していった。
 十五分ほど作業を進めると、伸一は、咳き込み始めた。咳は治まっても、息はゼイゼイしている。
 「少し休ませてもらうよ」
 彼は、また、畳の上に横になった。十分ほどして、記者の清書が終わるころ、呼吸は少し楽になった。また、力を込めて、畳をバンと叩いて身を起こした。
 「さあ、やろう! みんなが待っているんだもの。学会員は、悔しさを堪えながら頑張ってくれている。そう思うだけで、私は胸が熱くなるんだよ。だから、同志には、少しでも元気になってほしいんだ。勇気を奮い起こしてもらいたいんだよ」
 再び口述が始まった。しかし、やはり十分か十五分ほどすると、体を休めなければならなかった。
 こうして原稿を作り、それを何度も推敲する。さらにゲラにも直しを入れて、新聞掲載となるのである。連載は、ひとたび開始されれば、途中で休むわけにはいかない。そこに新聞連載小説の過酷さもある。伸一にとっては、まさに真剣勝負であり、生命を削る思いでの口述であった。
 「ことばは鍛えぬかれて、風を切る矢ともなれば炎の剣にもなる」(注)とは、デンマークの作家アンデルセンの箴言である。伸一も、そうあらねばならないと自らに言い聞かせ、わが同志の魂に響けと、一語一語、考え抜きながら原稿を仕上げていったのである。
 連載に対する反響は大きかった。全会員の心に、蘇生の光を注いだのである。
 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 「北帰行」(『アンデルセン小説・紀行文学全集6』所収)鈴木徹郎訳、東京書籍
posted by ハジャケン at 09:20| 山梨 ☁| 新・人間革命 30-3雄飛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名字の言〉 2017年8月3日

「いただきます」「ごちそうさまでした」――小学生の頃、給食の時間に皆で声をそろえたことが懐かしい。しかし独りの食事だと、何となく食べ始め、食事中もテレビや携帯電話を見ながら……ということが、つい多くなる▼食の総合コンサルタントの小倉朋子さんは、この“ながら食事”に警鐘を鳴らす。「なんとなく食べていると、お腹はいっぱいになっているのに、なぜか気持ちは『まだ食べたい』のです。お腹が満足しても心が『つまらない』のですね」▼満足な食事をするコツとして、小倉さんは「食べ始め」「食べ終わり」のあいさつを勧める。自分でオン・オフのリズムをつくれば、心も食事に向き合うことができ、満足感も生まれやすいという(『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』文響社)▼目の前の出来事にしっかり向き合えば、精神的な満足感・充実感が増す――なおざりにしがちだが大切なことだろう。慌ただしく過ぎる生活の中で、どう意識的にリズムをつくれるか、である▼朝晩の祈りは“生命のリズム”を自ら整える作業ともいえる。朝の祈りで「誓い」を立て、価値ある一日を送り、夜は「感謝」の祈りをささげる。自発能動の生命が、歓喜の人生につながることを忘れまい。(乃)
posted by ハジャケン at 09:18| 山梨 ☁| 名字の言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

将来の人物

将来の人物か過去の人物かの相違は、
吾れ何人ぞやと考えるか、
誰それはあゝだ斯【こ】うだと
他人の批判ばかりしているかどうかの一点にある。
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経王殿御返事P1124

師子王は前三後一と申して・ありの子を取らんとするにも又たけきものを取らんとする時も・いきをひを出す事は・ただをなじき事なり―――
 経王殿御返事P1124
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女性に贈ることば365日 8月3日

女性に贈ることば365日
 池田大作
8月3日
かつて、恩師・戸田先生は、
女性たちを励ますために、
こう言われました。
「自分のいる場所を幸せにできない者が、
どこを幸せにできるのか」と。


posted by ハジャケン at 09:14| 山梨 ☁| 女性に贈ることば365日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする